妖魔04~聖域~
刹那、深層世界からサルベージされたように、映像が取り戻された。

「どう、なった?」

周囲にいた妖魔達は消えている。

いや、存在はしている。

足元にパズルのように散らばりながら、死骸となって動かなくなっていた。

血と死臭が取り囲んでおり、今にも吐きそうだ。

「何が起こった?」

手には絵の具をまぶしたように、血まみれとなっていた。

「君は楽しそうに妖魔を狩る。心の底から歪んでいるようだ」

お吟さんのコアのメンテナンス作業が終わったのか。

ラインとナンバー01がロベリアを持ちながら傍に立っている。

「わからねえよ」

急に体が重くなり四つんばいになると、強制的に体内からコアが抜け落ち変身が解除される。

「くそ」

放置すれば、ロベリアの精神が死んでしまう。

コアを拾い上げるラインの手が見えた。

「安心したまえ。私の作った物だ、管理は怠らない」

ロベリアの中に魂を入れると、覚醒する。

しかし、疲労でも負っているかのように、気を失ったようだ。

「はあ、はあ、お吟さんは、どうなんだ?」

今知りたいのは結果。

「君は自分の事を心配してはどうかね?」

「いいから、答えてくれよ」

「そちらも無事に終了した」

「そうか」

ラインの答えに安心すると、腕力も失いうつ伏せに倒れる。

関節と火傷を負った肌に刺されるような痛みが走る。

唐突の痛みにより、俺は気を失った。
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