妖魔04~聖域~

褒美

覚醒を遂げると、夜になっている。

手術後にいた場所とは違うようで、客室にいるようだ。

疲労が溜まりすぎて、何も見る事はなかった。

肉体には包帯が巻かれている。

「イヴァンは、何を企んでいる?」

自分で言っただけあって、研究所の事は知っている。

来るタイミングが良すぎないか?

契約を結んだ事を知っているかのような行動だ。

疲れを催したので考えを一時中断する。

「しかし、何故に全裸?」

お吟さんが隣で寝息を立てている。

全裸で、満足感のある笑顔をしている。

「いつもいつも、無理させてごめん」

髪の毛を撫でると、柔らかい。

お吟さんが一人で生活していたのなら、倒れる事はなかったのかもしれない。

「今回は、俺の責任だ」

謝りながらも思うのは、愛おしさだった。

緑色の艶のある髪の毛を月明かりが美しく見せている。

髪の毛の下にある眼はぱっちりと開いている。

「欲情したか?」
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