妖魔04~聖域~
「ロベリア、お前、起きても大丈夫なのか?」

顔色は赤みを帯びて、とても良い。

お吟さんに触られているせいかもしれない。

「眠りが痛みを異世界へと飛ばしてくれる」

笑顔で返事をしてくれる。

「起きても体に異常はないってことか」

腹が減ったので、食事を貰うためにカウンターへと向う。

どこにでも食堂の食事を作る人はおばちゃんだと相場が決まっているようだ。

豊満な体で割烹着をきている日本人っぽい感じはあるが、髪の色が金だ。

「あいよ、今日の日替わり朝食」

出されたのは、久々に見る日本食。

俺が日本人だということで考慮してくれたか。

チューナー達の食事は違っているようだが。

「あんたは一人で頑張ったからね!これくらいはサービスしてやるよ!」

「でも、俺が来たからっていうのもあるんだけどな」

「細かいことは気にしない!じゃんじゃん食いねえ」

「ありがとう。おばちゃんは俺のこと他の奴と同じような対応するんだな」

「あったりまえじゃないかい!あんたが起こした女の子は一人ぼっちだったんだろ?それをあんたが起こして友達になってやったんだ!それが悪いことだっていうのはおかしな話じゃないかい」

「そうだな」

「それに、どんな理由があれ自分の住処が危ないっていうのに手伝わなかったんだ。それはあいつらが間違っている」

手伝っていたら逆に巻き込まれていたかもしれないから、それは正しいかもしれない。

おばちゃんのフォローは助かる。

おばちゃんの優しさに感動しながら、食事を頂いた。

「ありがたく食べさせてもらうよ」

山盛りのご飯と山盛りの納豆と山盛りの鮭があるのだが、何でいつも量が多いんだ。
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