妖魔04~聖域~
ある程度平らげた時、少女がいたところで人だかりが出来ている。

「厄介事になってなきゃいいけどな」

お吟さんはしばらく放っておいてもいい。

食事を中断して立ち上がり、人だかりへと歩いていく。

「ちょっとどけよ」

邪魔をしてるのは、研究所の服を着た契約妖魔かチューナーのどっちかだ。

両方、見た目は人間なのでわかりにくい。

「余計な事ばかりしやがって。お前がこなきゃ何も変わらなかったんだよ」

見た目は華奢で強そうに見えないのだが、何か能力を持っているかもしれない。

「無駄口叩くならどけよ」

「ああ!?半端者がでかい口たたくんじゃねえよ!」

静まったかと思えば、敵意を燃やす者はいる。

「この先にチビがいたはずだが?」

「様子が見たいのか?無理だね」

邪魔だな。

RPGでいえば、イベントを起こさないとどかないキャラだ。

三つ選択際があるなら、全て殴るだな。

「一つ言っておくけどよ」

「ああ?」

答える前に気分が悪くなる顔面に拳を突っ込む。

「悪い。気を失ってるなら言う必要はなかったな」

顔面を殴った光景を見た者は道を開けた。

真ん中には床に寝そべっている少女がいる。

服が汚れているところ、遅かったんだろう。

近くに寄って状況を確かめると気を失っているだけらしい。

「この子が、自分達の命を脅かした敵だったからやったのか?」

特定の人物に言うわけではなく、周囲に聞く。

誰も答えようとはしなかった。

「お前らは襲ってきた馬鹿と変わらないな」
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