妖魔04~聖域~
保険を使った方が、幾分か良いような気がしてきたのは気のせいか?

ただ、保険の能力が剣に通用するかどうかの問題なんだ。

機械には通用していたから、イケそうな気はする。

「大剣を砕く場合、コアのある場所を探れば何とかなるかもしれない」

お吟さんの力を借りれば何とかなる。

戦闘に参加してくれるかどうかは解らないがな。

しかし、空気に触れればコアは死ぬのだから、殻を破壊すればいいだけの話じゃないのか。

いや、過去を思い出せ。

コアの殻である大剣は、肉体と共に消滅しても回復して治っていた。

マリアで試す場合、殻が回復する前に傷をつけるしかなくなる。

大剣の回復能力がどれ程の物かによって、スピードが重要になってくる。

「ハンスの話はそれぐらいでいい。それで、昨日の事だ」

唐突に、深層世界に落とされた時の事。

「君が怒りの感情を出した瞬間に暴走したことかい?」

「暴走?」

「この映像を見れば解ると思うがね」

ノート型パソコンを机に乗せ、画面には録画されたな映像が流れる。

意識のある俺と残りの妖魔達が映っているようだ。

『審判』が発動すると、突然、体から力が抜ける。

俺の意識が途切れたのだろう。

妖魔達がまた襲いかかってこようとする。

刹那、意識のない俺が、良心の欠片もない行動を起こす。
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