妖魔04~聖域~
俺も新しき世界を開くための踏み台となるのか。

だからといって、簡単に殺されるか。

「挑戦的な目をしているじゃないか」

「世話になったが、殺されるわけにはいかない」

「グレイマンを処理してから言って欲しいものだね。君は新しい良作とは成りえていない」

「それもそうだがな」

人生の大仕事になりそうだ。

だが、敵はハンスだけじゃない。

「ロベリア、お前は言う事ないか?」

ロベリアは頷き、ラインの前へ出る。

「命の尊さ、死の軽さ、世界のあり方、狂った歯車。アナタは知っている、全て知っている」

「命とは駆け引きの道具。世界とは終焉を迎えるために用意された器。所詮その程度」

「アナタは一粒の光を内包している」

「ナンバー00、根拠のないことを言うものではないのだよ。君が何を望もうと、現実になるのはちっぽけなゴミクズ程度だ」

ロベリアは一言だけラインに呟くと、俺達の元へと来る。

俺達はラインの元を去る。

世話になったのは一日。

この一日だけで、世界が変わった。

自分の中の世界という意味だけどな。

世界を変えるのはこれからだ。
< 143 / 330 >

この作品をシェア

pagetop