妖魔04~聖域~
「望んだ世界は俺が壊す」

「つまらないこと言うアルなあ」

「つまらないか?」

「恰好いい台詞を狙って言う人間ほどつまらないものはないアル」

「ええ!?じゃあ、何て宣言すればいいんだよ」

「お吟さんとの夜の生活を楽しみたい、お吟さんに死ぬまで奉仕がしたい、アル」

「そりゃあんたの欲望じゃねえかよ!」

「嫌アルか?」

頬を染めて淑女のように見せかけているが、一つ一つが胸キュンだ。

「嫌じゃない、ダベシ!」

久々に喰らったローキック。

どこかで喰らった記憶があるのだが、どこだったか。

「ロリコン!オラに仕事紹介せえや!」

似たような女児が日本にいたな。

「お前、摩耶に似てるんだよな」

「そいつがオラに似てるだけの話だ!どうでもいいから仕事紹介しろ!」

「俺だって無職なんだぜ?斡旋できるほどのコネはない」

「うわ、最悪!身投げしたくなるほど最悪!」

「死にたくなるほどのものかねえ」

「仕事をしてない奴は現代に巣食う悪魔だ!」

「そこまで言うなよ。ああ、あったあった。旅人っていう肩書きが、ゴフ!」

ボディブローが俺の股間を捕らえている。

股間を押さえて前のめりになりながら考える。

久々に酷い扱いを受けた。

俺って駄目なキャラだなあ。

痛みを追いながらも、俺達は日本へと出立した。
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