妖魔04~聖域~
「お母さん、魅力的だもんね」
笹原は頬を紅く染めながら、妙なことを想像して焦っている。
「何故、アバンチュールな夜を過ごして、体力をすり減らさなくちゃならない」
「でも、男と女が抱き合ってるってなると、白とは思えないんだけどな」
変な勘違いで窮地に陥れようとする妹とのやり取りが面倒だ。
「俺は出て行くからな」
「朝ごはんぐらいは食べていきなよ」
「必要ない」
邪魔な腕をどけて立ち上がり、身なりを整える。
しかし、体は正直なもので、腹の音が数秒間なった。
「面倒な体だ」
「ちゃんと体調管理しないと、体壊しちゃうよ」
「どうでもいい」
背後から弾丸のように何かが飛んでくる気配を感じた。
咄嗟にソレを掴んで、握りつぶす。
掌の中を見ると、粉々になったチョークだ。
「お姉ちゃん」
笹原妹の背後に立つ眠そうな瞳の冬狐は、白いワイシャツとパンツでタオルを首にかけていた。
ニオイからして、風呂にでも入っていたのだろう。
「美咲の優しさに涙してもいいところよ」
姉や母は妹の事を愛しているらしい。
「家に泊まったおかげで大変な目にあった」
冬狐の視線が裸の母親に行く。
「被害者面するわりにやったわけね。アンタも若いわねえ」
「自分の母親がどういうものか知らないのか?」
「お盛んなのはいいけど、あんまりドタバタしないでね。途中で起きるのも嫌だから」
言いたいことだけを言って、廊下を歩いていく。
笹原は頬を紅く染めながら、妙なことを想像して焦っている。
「何故、アバンチュールな夜を過ごして、体力をすり減らさなくちゃならない」
「でも、男と女が抱き合ってるってなると、白とは思えないんだけどな」
変な勘違いで窮地に陥れようとする妹とのやり取りが面倒だ。
「俺は出て行くからな」
「朝ごはんぐらいは食べていきなよ」
「必要ない」
邪魔な腕をどけて立ち上がり、身なりを整える。
しかし、体は正直なもので、腹の音が数秒間なった。
「面倒な体だ」
「ちゃんと体調管理しないと、体壊しちゃうよ」
「どうでもいい」
背後から弾丸のように何かが飛んでくる気配を感じた。
咄嗟にソレを掴んで、握りつぶす。
掌の中を見ると、粉々になったチョークだ。
「お姉ちゃん」
笹原妹の背後に立つ眠そうな瞳の冬狐は、白いワイシャツとパンツでタオルを首にかけていた。
ニオイからして、風呂にでも入っていたのだろう。
「美咲の優しさに涙してもいいところよ」
姉や母は妹の事を愛しているらしい。
「家に泊まったおかげで大変な目にあった」
冬狐の視線が裸の母親に行く。
「被害者面するわりにやったわけね。アンタも若いわねえ」
「自分の母親がどういうものか知らないのか?」
「お盛んなのはいいけど、あんまりドタバタしないでね。途中で起きるのも嫌だから」
言いたいことだけを言って、廊下を歩いていく。