妖魔04~聖域~
「お前、一体、何者だ」
千鶴のニオイは『理を壊す者』と『理を守る者』の両方が混じっている。
純血でない混合種が世界にいるのか。
人間との子孫を作ろうと考えた妖魔がいるとはな。
自分の血を汚すなどと、馬鹿げているとしか思えない。
「え、えっと、葉桜千鶴です」
焦りながら答えているが、俺が聞きたい答えではなかった。
自分が何者かわかっていないのか?
「刃さん、そんなに睨んだら怖いよ。千鶴が怯えるじゃない」
千鶴を庇う形で前に立っている。
「笹原妹、ちょっと来い」
俺は笹原の腕を掴んで、葉桜から遠ざかる。
「あの女が混合種という事には気付いているのか?」
「知ってたよ。母さんと姉妹の郁乃さんが人間の方と結婚してたからね」
「郁乃、葉桜」
葉桜の情報を頭の中から引き出す。
葉桜靜丞。
任務の達成率が高く、腕のいい請け負い妖魔だと噂をされていた。
娘は二人いて、久遠は里に残り、郁乃は里を出たと聞く。
里を出た方が葉桜で、人間との間に子を儲けたというのか。
人間と娘を作った理由などどうでもいいが、里にとっては異端児だ。
「でも、いい子だよ」
「性格の問題じゃない。ありえない存在は常に異端だ」
千鶴のニオイは『理を壊す者』と『理を守る者』の両方が混じっている。
純血でない混合種が世界にいるのか。
人間との子孫を作ろうと考えた妖魔がいるとはな。
自分の血を汚すなどと、馬鹿げているとしか思えない。
「え、えっと、葉桜千鶴です」
焦りながら答えているが、俺が聞きたい答えではなかった。
自分が何者かわかっていないのか?
「刃さん、そんなに睨んだら怖いよ。千鶴が怯えるじゃない」
千鶴を庇う形で前に立っている。
「笹原妹、ちょっと来い」
俺は笹原の腕を掴んで、葉桜から遠ざかる。
「あの女が混合種という事には気付いているのか?」
「知ってたよ。母さんと姉妹の郁乃さんが人間の方と結婚してたからね」
「郁乃、葉桜」
葉桜の情報を頭の中から引き出す。
葉桜靜丞。
任務の達成率が高く、腕のいい請け負い妖魔だと噂をされていた。
娘は二人いて、久遠は里に残り、郁乃は里を出たと聞く。
里を出た方が葉桜で、人間との間に子を儲けたというのか。
人間と娘を作った理由などどうでもいいが、里にとっては異端児だ。
「でも、いい子だよ」
「性格の問題じゃない。ありえない存在は常に異端だ」