妖魔04~聖域~
記憶の一部が破損しているというのか。
「どうでもいい記憶なんだろう」
「そうかな。大切なものかもしれないよ」
解らない記憶に執着する理由があるか。
「だったら、覚えていてもいいはずだ」
千鶴がやり取りを伺っているが、焦っているようだ。
「あ、そろそろチャイム鳴っちゃうね」
「このままじゃ、遅刻しますよ」
遅れたところで何があるわけでもないだろう。
「刃さん、後は真っ直ぐ行くだけだよ」
笹原妹は走り始めた。
「おい」
「ごめん、今日は学校に早く行かなくちゃいけないの。千鶴も、大学があるんでしょ?」
「あ、そうですね。私も失礼します」
笹原妹と千鶴は俺を取り残して、走り去って言った。
「一緒に行く必要がないのなら、それでいい」
厄介な相手が消えてくれて清々してるところだ。
「行くか」
笹原妹の言い方であれば、そろそろ辿り着く頃だろう。
余計な時間を食ってしまったが、終わりはすぐだ。
俺の視線の先には人間の小さなガキが道路を渡ろうとしている。
歩道と道路にきっちり区分けされており、車も通っている。
当然、ガキが車に轢かれることもある。
今みたいに、急に来た車によってな。
クラクションのなる車は急停止することが出来ないらしい。
ガキは車の来る方向を見ているだけだ。
「死ぬな」
ガキ自身も諦めていただろう。
「よっと!」
横から飛び出してきた男がガキを捕らえて、歩道へとダイブする。
「どうでもいい記憶なんだろう」
「そうかな。大切なものかもしれないよ」
解らない記憶に執着する理由があるか。
「だったら、覚えていてもいいはずだ」
千鶴がやり取りを伺っているが、焦っているようだ。
「あ、そろそろチャイム鳴っちゃうね」
「このままじゃ、遅刻しますよ」
遅れたところで何があるわけでもないだろう。
「刃さん、後は真っ直ぐ行くだけだよ」
笹原妹は走り始めた。
「おい」
「ごめん、今日は学校に早く行かなくちゃいけないの。千鶴も、大学があるんでしょ?」
「あ、そうですね。私も失礼します」
笹原妹と千鶴は俺を取り残して、走り去って言った。
「一緒に行く必要がないのなら、それでいい」
厄介な相手が消えてくれて清々してるところだ。
「行くか」
笹原妹の言い方であれば、そろそろ辿り着く頃だろう。
余計な時間を食ってしまったが、終わりはすぐだ。
俺の視線の先には人間の小さなガキが道路を渡ろうとしている。
歩道と道路にきっちり区分けされており、車も通っている。
当然、ガキが車に轢かれることもある。
今みたいに、急に来た車によってな。
クラクションのなる車は急停止することが出来ないらしい。
ガキは車の来る方向を見ているだけだ。
「死ぬな」
ガキ自身も諦めていただろう。
「よっと!」
横から飛び出してきた男がガキを捕らえて、歩道へとダイブする。