妖魔04~聖域~
扉の隣には一匹の龍が重々しく鎮座している。

石像なので動く事はないが、今にも動きそうな躍動感がある。

龍を無視して扉を開ける。

奥は狭い部屋になっており、奥の台座の上にはコアが在る。

「放置か」

部屋に入れば罠にかかるという事もある。

「面倒くせえ」

考えるのも面倒くさくなと、前へと歩き出す。

怯えたところで何も変わらない。

実行する事こそが、真実に繋がる一歩だ。

靴の音をさせながら、台座まで辿りつく。

「呆気なかったな」

「そうだな。私のためにご苦労」

隣から手を伸ばそうとしたところを、アームロックで封殺する。

「お前は俺の味方なんだろ?」

行動からすれば、敵でしかない。

「そうだ。そして、私はお前を好きだぞ」

「じゃあ、何で先にコアを入手する必要がある?」

「古代コアの味を確かめたかったんだ」

「飴とでも勘違いしてるのか?こんなもん舐めたら腹を壊すだけだろう、が!」

「ギャアアアアア!」

関節を折れる手前まで持っていき、本気で苦しみ始めたところで離す。

落ち着いたところで台座に備えられたコアを取った。
< 18 / 330 >

この作品をシェア

pagetop