妖魔04~聖域~
男の世界

地元

「やっと帰ってきたな」

空港から電車に乗って、地元へと帰ってきた。

長い旅も終了した。

旅が終わっただけで、全てが終わったわけじゃない。

我が地元に帰ってきたんだ。

途中でジジイの家に寄ってきたが、夫婦の営みを発見してしまうとは、思ってもみなかった。

それはさておき、新しい家が建っているものの大した変化はない。

今いる場所は『赤坂御堂学園』前。

実質、二年も通っていなかった高校。

本当なら三年間通ってから卒業式を迎えるはずだったんだがな。

「自分の今を悔いてるアルか?」

右にいるのは、お吟さん。

上がジャージに似た服装で、下はキュロットだ。

左にいるのは、契約妖魔である金髪のロベリア。

白のワンピースを着ており、可愛らしい。

ロベリアの隣で不機嫌そうなのは、チビのクルト。

男の子のような名前だが女の子であり、顔以外はポンチョで隠れている。

「そうじゃないと言ったら嘘だけど、それでも良かったと思える人に出会えたからいいんだ」

「ほほう、丞はアチシと愛の巣を創りたいアルか」

「出来ればね」

本気で言っているのかは解らないが、俺はお吟さんに対する言葉は全て本気だ。

しかし、今はのんびりしている場合でもない。

「何ベタついてるんだ!ここにオラの仕事あるんだろうな!」

「あるんじゃないか。でも、お前って日本国籍じゃないだろ?難しいと思うけどなあ」

「うるせえ!働ければなんだっていいんだよ!」

クルトは自分の寝床を探すために日本まで付いてきた。
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