妖魔04~聖域~
「今の状況で好かれてるのなら、幸せだよな」
味を占める前に、命のやり取りが始まろうとしている。
見知らぬ妖魔に無差別に襲い掛かってくる癖は治ってないみたいだな。
妖魔でも、危険だと判断されたわけか。
「下がってろ」
退魔師相手だと不安はあるが、乗り越えるためにはやるしかない。
しかし、俺達がぶつかる前に校門から男女が出てくる。
「え?殺人ショー?」
「いかんな。無益な殺生ほど悲しむ者が増える」
髪の長い褐色の女は記憶の中に濃い印象を残している。
七三分けの男は、うろ覚えだが記憶にはある。
「子鉄」
懐かしい無表情に近い顔、ハスキーヴォイス。
何もかもが、俺の心を揺さぶる。
だが、冷静に対処しなければ、誤った行動をとってしまう。
「あ、子鉄姉!」
短刀を素早く直すとスーツ姿の子鉄ちゃんのもとへと走っていく。
抱きつくと顔が緩んでしまっている。
さっきの殺伐とした空気が消え去ってしまった。
「瑠璃子、あんたは何でもかかっていくんじゃないわよ」
「あいつは危険だ。とんでもない気配がするのよ」
子鉄の俺を見る目は、優しさなどは込められていない。
敵意はないが、どうでもいいようなモノを見る目。
興味はなくなったようで、瑠璃子の方へと向きなおす。
「何もしてない以上は手を出すんじゃないわよ。隊長に殺されるわよ」
「だってさあ」
「彼らは人畜無害だ。それは神が告げている」
「お前の頭は電波でも受け付けてるわけ!それに、いっつもいっつも子鉄姉の隣にいてさ!」
スーツの七三男はいつも隣にいるのか。
味を占める前に、命のやり取りが始まろうとしている。
見知らぬ妖魔に無差別に襲い掛かってくる癖は治ってないみたいだな。
妖魔でも、危険だと判断されたわけか。
「下がってろ」
退魔師相手だと不安はあるが、乗り越えるためにはやるしかない。
しかし、俺達がぶつかる前に校門から男女が出てくる。
「え?殺人ショー?」
「いかんな。無益な殺生ほど悲しむ者が増える」
髪の長い褐色の女は記憶の中に濃い印象を残している。
七三分けの男は、うろ覚えだが記憶にはある。
「子鉄」
懐かしい無表情に近い顔、ハスキーヴォイス。
何もかもが、俺の心を揺さぶる。
だが、冷静に対処しなければ、誤った行動をとってしまう。
「あ、子鉄姉!」
短刀を素早く直すとスーツ姿の子鉄ちゃんのもとへと走っていく。
抱きつくと顔が緩んでしまっている。
さっきの殺伐とした空気が消え去ってしまった。
「瑠璃子、あんたは何でもかかっていくんじゃないわよ」
「あいつは危険だ。とんでもない気配がするのよ」
子鉄の俺を見る目は、優しさなどは込められていない。
敵意はないが、どうでもいいようなモノを見る目。
興味はなくなったようで、瑠璃子の方へと向きなおす。
「何もしてない以上は手を出すんじゃないわよ。隊長に殺されるわよ」
「だってさあ」
「彼らは人畜無害だ。それは神が告げている」
「お前の頭は電波でも受け付けてるわけ!それに、いっつもいっつも子鉄姉の隣にいてさ!」
スーツの七三男はいつも隣にいるのか。