妖魔04~聖域~
「理由は色々あるけど、好きな異性が出来た時にやりゃ、他の事がどうでもよくなるくらい最高にハッピーになれるんだよ」

考えたものの、ろくでもない理由を口走る。

「何だ、それ」

「お前には、好きな異性がいるのか?」

「そんなの、オラの勝手だ!」

顔を背けて、背中を向けてしまった。

「お姫様、とても輝いてる」

二人の様子を見るロベリアが呟いた。

ロベリアが感動するのはいいのだが、個室でやって欲しいものだ。

紅玉は無表情で龍姫の傍に立っている。

メイド服が定着しているようで、違和感はなかった。

モデルのような背の高さに圧倒されるのはいつものことだ。

「元気にしてたか?」

紅玉は会釈をするだけで、感情のあるやり取りをする気はないようだ。

「はあ、はあ、丞ちゃんも久々に帰ってきたのじゃ。ゆっくりするがよい」

龍姫は十二単のような着物を取り払って、現代の軽めの服を着ていた。

お吟さんとの行為で乱れている。

「着物、やめたのか?」

「誰も着物を着ろと強制はせぬからな。それとも、丞ちゃんはワラワに着物でいて欲しかったのかえ?」

「似合ってるから、そのままでいい」

「丞ちゃんはワラワの心に手を触れるのが上手いのう」

笑顔を浮かべて神殿の中に入っていく。

変わったようで変わらない、俺の知っている龍姫だった。

「ふふふ、今日は龍姫と神殿の中での盛大なパーティーアル」

「元気だなあ」

いつまでも現役なお吟さんが素敵に思える。

俺達は龍姫の後に続いて神殿へと入る。

「すげえ。これなら寝て暮らせる」

クルトが挙動不審になりながら、神殿の中を見回す。
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