妖魔04~聖域~
「ロベリア、見えたか?」

痛みはあるが、精神のやり取りはできるようだ。

『指定空間に衝撃の渦』

「通りで、何も見えないわけか」

俺のいる位置を指定し、衝撃破を飛ばしているのだろう。

止めていた体を動かすと、先ほど居た地面が崩れるような音を立てた。

周りを駆けながらも様子を伺っているが、このままでは体力が消費していくだけだ。

近づこうとすれば衝撃波が襲ってくる。

どうにかして近づくしかない

「ロベリア、モードチェンジだ」

『モード:真刀』

青光剣が生成される。

「色々と試すしかねえか」

それまでに魔力がなくならなければいい。

今のところ、衝撃波は連発で発生はしていない。

短い時間だが、間隔が開いた後でニ発目が繰り出される。

近づくとすれば、その間で何か行動を起こしすしかない。

急停止して、一時停止する。

ジジイは俺が何かを思いついた事を知ったように、笑っている。

余裕なのだ。

虎がシマウマを狩るのは造作もない事だ。

だから、衝撃波を放つ。

俺にはそれが見えてはいない。

精神を集中させて空気の歪む出始めの音を聞き取り、真横に動く。
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