妖魔04~聖域~
四年という月日が経った。

テンプルナイツの島で何が起きてもおかしくはない。

レイン=ドゥカティが鍵を握っているはずだ。

結界を取り壊したのもレインだからな。

俺が転移した事により結界が弱まったのだから、今は強固のままなのではないか。

だとすれば、時間がかかると予測してもおかしくはない。

もし、レインが結界を破ったとして、テンプルナイツが島の妖魔達を滅ぼせば、本部となる島を離れて進軍を起こす。

レインを抑えればテンプルナイツは島に留まったままなのだろうが、あの島に行くのは危険だ。

しかし、島にはマリアの保険である、ティアが存在している。

ティアを、守る事も重要な任務だ。

そして、もう一つ厄介なのが、同盟している退魔師だ。

退魔師は思想や考えなどは違うが、全てが萌黄さんに従うといったらそうでもない。

萌黄さん達のような隊長格は妖魔を敵視していない。

部下がそうであるかといえば、違うといえる。

組織に思想があれば、個人にも思想はあるものだ。

組織に所属するのならば、軍規に従うのは当然で、個人の思想など反映されないんだがな。

だが、島に行けず、テンプルナイツの思想に賛同する者が退魔師の中にいたとしよう。

それは退魔師ではなく、テンプルナイツということだ。

だが、規律があるから、表では従っている。

裏ではテンプルナイツと共闘して、妖魔を滅ぼそうという人間もいるかもしれない。

全ては憶測と妄想しかないので、口に出してはいえないことだけどな。

「名は何と言う?」

「マリア=マティーだ」

そういえば、今年の代表者である燕に聞けば、里の者ならわかるんじゃないのか。
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