妖魔04~聖域~
「わあ!お母さんだあ!」
いの一番で吟に抱きついたのは笑顔の久遠だった。
「コラ、アホ娘!アチシは肉に興味があるアル!」
引き離そうとするが、がっしりと腰に腕を回して離れない。
嬉しさのあまり頬擦りしている。
冬狐もいるのだが、静かに食事をしている。
魔乳は健在であり、垂れ落ちそうな気配はない。
肉を食いながら、横目で眺めるセクハラジジイは放っておこう。
男は立ち上がり吟の前まで来ると、静かに頭を下げる。
「吟様、ご無沙汰してます」
「道元はいつも堅苦しい奴アルな」
道元?
冬狐や美咲の父親で、保守派の上層部の妖魔か。
吟が様付けで呼ばれるって、吟も相当な権力を持っているのか?
「お父さん、吟さんが困ってるよ!」
美咲の一言で頭を上げた。
道元の表情はとても柔らかく、怒った顔など想像できない。
今度は俺の前まで来ると、優しい視線で見る。
「君の事は夢島君から聞いている」
燕が俺の事をどう語っているのか気になる。
それ以前に、報告は滞りなくしているのか。
仕事を丸投げしているイメージがあった。
そういえば、燕の姿がない。
しかし、有力な情報は燕よりも道元のほうが豊富だろう。
道元にマリア=マティーの事を聞いてもいいかもしれない。
この男、信用出来るか?
いの一番で吟に抱きついたのは笑顔の久遠だった。
「コラ、アホ娘!アチシは肉に興味があるアル!」
引き離そうとするが、がっしりと腰に腕を回して離れない。
嬉しさのあまり頬擦りしている。
冬狐もいるのだが、静かに食事をしている。
魔乳は健在であり、垂れ落ちそうな気配はない。
肉を食いながら、横目で眺めるセクハラジジイは放っておこう。
男は立ち上がり吟の前まで来ると、静かに頭を下げる。
「吟様、ご無沙汰してます」
「道元はいつも堅苦しい奴アルな」
道元?
冬狐や美咲の父親で、保守派の上層部の妖魔か。
吟が様付けで呼ばれるって、吟も相当な権力を持っているのか?
「お父さん、吟さんが困ってるよ!」
美咲の一言で頭を上げた。
道元の表情はとても柔らかく、怒った顔など想像できない。
今度は俺の前まで来ると、優しい視線で見る。
「君の事は夢島君から聞いている」
燕が俺の事をどう語っているのか気になる。
それ以前に、報告は滞りなくしているのか。
仕事を丸投げしているイメージがあった。
そういえば、燕の姿がない。
しかし、有力な情報は燕よりも道元のほうが豊富だろう。
道元にマリア=マティーの事を聞いてもいいかもしれない。
この男、信用出来るか?