妖魔04~聖域~
吟と道元が何らかの繋がりがあるということか?

でも、吟と一緒に行動してたんだけど、誰かと連絡を取っているところとか見たことがない。

俺が知らないだけかもしれないけどな。

まさか、保守派だったりするのだろうか?

だが、過去に吟はどちらでもないと言っていたような気がする。

「吟が道元と連絡を取っていたとしても、教えてもらった事はないな」

「ザックが嘘言ってるようには思えないよ」

美咲は胸を潤わせてくれるな。

「ザックという名前自体が嘘だからね。信用できる相手ではないのは確かよね」

雲行きが怪しいのは変わりようがない。

だが、美咲はいつもと変わりない口調で問いかける。

「ねえ、ザックは私達を危険な目にあわせる?」

濁りのない眼差しが、俺の眼を射ている。

「もう、お前に、死んで欲しくない」

二度と、目の前で死に行く美咲を見たくない。

あの時、俺の胸に穴が開いた。

俺の望みは、変わらない笑顔が咲いている事だ。

「え?」

不味い。

俺は何度失敗を繰り返せば気が済むのか。

「痛い思いとかして欲しくないって事だよ。ずっと、笑顔で居て欲しい」

うそ臭かったか?

美咲の見つめる目が、痛く感じてくる。
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