妖魔04~聖域~
「しばらく留守にする」

クルトの情報を上手く辿ることが出来ればすぐだろうが、都合よくはいかないだろう。

「良い。束の間ではあったが、ワラワは幸せじゃ」

「今度は長くいられるようにするし、一緒に遊ぶんだろ?俺は絶対に帰ってくるからな」

「丞ちゃん、無茶するでないぞ」

「わかってる」

「お土産も待っておるぞ」

「旅行先に特別な品があれば、買ってきてやるよ」

クルトの足だと、遠くはいけないとは思うけどな。

「うっし、行くか」

吟を背中に負ぶって、ロベリアと共に歩き出す。

すぐに見つかればいいが、嫌な予感がする。

何か起きそうな、そんな予感。

だけど、必ず守る。

吟を死なせないように、俺とロベリアが守る。

もう、誰かを置いて逃げるのはこりごりだ。

「ロベリア、クルトが何か手がかりになるようなことを言ってなかったか?」

まずは身近なところからの情報収集を始めよう。

これで、大きな手がかりが入れば儲けものだ。

「少女が求めたのは天国の島」

「何だそれ、空にでもあるのか?」

上空を見上げたが、浮かんでいるのは雲だけだった。

「チッチッチ、ガタイも股間も猛者な奴らが集まる場所アル」
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