妖魔04~聖域~
ロベリアは自然の美しさに目を輝かせ、ロベリアを見る吟も目を輝かせている。

目的は違うが本質的には、美しいモノを見ると一緒である。

どうでもいい話ではあるがな。

日差しによって、眠気が出てくる。

二つも県を越えるとなると時間もかかる。

眠気眼で見た映像は、駅弁を食べ終えた吟とロベリアが車内で乳繰り合いを起こしている。

性欲を抑えてくださいと言いたくなる。

俺だって、俺だって、ロベリアの胸に広がる果実を掴みたい。

思わずロベリアの胸にタッチをしてみるが、笑顔のままだった。

「うむ」

吟も気にせず続けているので、止める奴がいなくなる。

吟はロベリアには嫉妬という念は抱かないのか。

それほどに、俺が吟にベタ惚れだという自信があるのか。

ロベリアなら、龍姫と同じく特別OK、有終甘美とかいうオチなのか。

車内でパーティーを開くのは常識、倫理観をぶっ壊す。

すでに倫理観などあってないようなものだが、周りの人間に迷惑をかけている。

「吟、乳繰り合うのはここじゃ早すぎる」

「今の内に充電しとかないとやる気しないアル」

「周りの人が、明後日の方向を向かなくちゃならないだろうがよ」

「周りに誰もいないアル」

いつの間にか、他の乗客は別の場所に移っていっていた。
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