妖魔04~聖域~

両親

何故、コアは紅いのか。

詳しい理由は知らない。

最初は青で、体内にある内に紅く染まっていったのか。

もしかすると最初から紅かったのかもしれない。

掌にある古代から存在するコアも紅い色をしているので、後者が正しいのかもな。

「さて」

長老に報告して、暗号を聞くだけだ。

「よし、お前の用事に付き合ったんだから、次は私の用事に付き合え」

「勝手に着いてきたのはお前だろう」

「何を言う。世の中ギブアンドテイクだ。行く前にも言ったじゃないか。契約書にもサインしただろう」

懐から取り出した紙には契約書らしい規約と俺の名前が書かれてある。

バレバレの偽造だ。

パッと見でも、燕の字で構成されていると解る。

昨日、珍しく机に向かっていたのだが、無駄な事をしていたらしい。

「恥を知れ!」

チョップで真っ二つに切り裂き、パワーボムで落とす。

「里の安全は守られたな」

頭の上に星が浮かんでいる馬鹿は放っておいて、長老の家へと向かう。

大きな椅子の上に座っている小さな老体。

部屋の中には特別不思議なものはない。

「持ってきたか」

「ついでにろくでもない奴をぶっ殺してきたけどな」

「お前が勝てるとは思っていなかった」

目玉に表情はない。

何を考えているのかも解らない。

「あの化け物がいることを知っていたようだな」

もしかすると、ジジイは俺を始末しようとしたのか。
< 29 / 330 >

この作品をシェア

pagetop