妖魔04~聖域~
吟が余計なことを言うと、琴が不幸だと思い込む。

何で、面倒なのと関わり合いを持っているのか。

吟が面倒見がいいというしかない。

「なあ、吟、島の状況はどんなんだ?」

俺が右側に座らせて、肩を抱いて拘束する形でいる。

もちろん、逆側にはロベリアという両手に花な状態である。

「街中で裸になると、襲われるような場所アル」

全然、雰囲気が伝わってこない。

それに、獰猛な奴とかいたら当たり前だ。

今の情報でわかったのは、島には街が存在するということだけだ。

そこには、猛禽類などがいて、平気で他人を襲うわけだ。

「危険な奴らの数はどれくらいだ?」

「何年も前のことは覚えてないアル」

街の事を覚えているなら絶対に知っているはずなのに、試練を与えるためにわざと情報を提示しないつもりか。

今と状況が違うかもしれないから、教えても意味がないということなのか。

状況が変わっているのなら、面倒ごとはないほうがいい。

「アチシよりも琴のほうがよく知ってるアル」

話したくない。

スイッチがどこで入るかわからないのに話を振るんじゃない。

絶対に面白がっている。

船が沈もうが泳いで行く自信があるから、わざと琴と話をさせようとしているんだ。

「にゃふう、吟のダーリンは琴を嫌いにゃあ。琴が不幸と思うと面倒だから、話してくれないにゃあ」

「待て待て待て待てい!誰もそんなことは言ってないぞ!」

琴、無駄に鋭いぞ。
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