妖魔04~聖域~
琴の姿も見えないところ、自分の不幸だけを押し付けたのか。
琴にはふざけるなと言いたい。
誰のせいで危ない状況に追い込まれてると思ってるんだ。
だが、吟も黒鉄も凄まじい泳ぎで安全に島へ辿り着けそうだな。
「ロベリア、このままじゃ巻き込まれる。中心に行く前に飛び降りるぞ」
死ぬか死なないか、賭けである。
分の悪い賭けだ。
俺は飛び降りる前に少し考える。
通常モードよりも、変身したほうがいいかもしれない。
ならば、まだ分はいい方向に向くかもしれない。
「変身して助かる可能性を高める、いいか?」
「王子様、全てを飲み込む意志は全てを超越する」
ロベリアの差し出された手を強く握り締めて、近くに寄せる。
俺は鎧をまとって、船から荒波の中へと飛び降りた。
だが、自然の驚異は恐ろしいまでに自由がない。
渦の外に出たとしても、中へと巻き込まれていっている。
身体的能力がアップしても、無意味に近い。
ロベリアの体を右腕で離さず、左腕を振って外へ外へと逃げ惑う。
だが、渦の魔物は自分の奥底へと無理矢理誘う。
抵抗するなと言わんばかりの力だ。
「ごぶごぼ」
腕の振りが追いついていない。
駄目だったのか。
俺一人だったらいい。
だけど、ロベリアだけは助けたい。
『王子様、空の世界に羽ばたく心』
ロベリアの発言は決して、無意味なもので終わるはずがない。
琴にはふざけるなと言いたい。
誰のせいで危ない状況に追い込まれてると思ってるんだ。
だが、吟も黒鉄も凄まじい泳ぎで安全に島へ辿り着けそうだな。
「ロベリア、このままじゃ巻き込まれる。中心に行く前に飛び降りるぞ」
死ぬか死なないか、賭けである。
分の悪い賭けだ。
俺は飛び降りる前に少し考える。
通常モードよりも、変身したほうがいいかもしれない。
ならば、まだ分はいい方向に向くかもしれない。
「変身して助かる可能性を高める、いいか?」
「王子様、全てを飲み込む意志は全てを超越する」
ロベリアの差し出された手を強く握り締めて、近くに寄せる。
俺は鎧をまとって、船から荒波の中へと飛び降りた。
だが、自然の驚異は恐ろしいまでに自由がない。
渦の外に出たとしても、中へと巻き込まれていっている。
身体的能力がアップしても、無意味に近い。
ロベリアの体を右腕で離さず、左腕を振って外へ外へと逃げ惑う。
だが、渦の魔物は自分の奥底へと無理矢理誘う。
抵抗するなと言わんばかりの力だ。
「ごぶごぼ」
腕の振りが追いついていない。
駄目だったのか。
俺一人だったらいい。
だけど、ロベリアだけは助けたい。
『王子様、空の世界に羽ばたく心』
ロベリアの発言は決して、無意味なもので終わるはずがない。