妖魔04~聖域~
「今日もたくさん来たから知らないな」

「一日に大量に来るのか?」

「毎日じゃないがな。数は日によって変わる」

大人は面白半分で自ら来ることもあるかもしれない。

責任は自分で負わなくてはならない事を知っているからな。

他に、何かが原因で連れて来られることもあるかもしれない。

いつかは諦め、考えを切り替えるしかなくなる。

入って後悔しても、自分のせいだと理解や納得をするしかない。

いつまでも納得せず他人のせいだと嘆き続けても、意味のない行為だと知る日がくる。

だが、子供はどうだ?

自分から来ることはあるかといえば、NOだ。

何かしらの問題を抱えた子や、さらわれた子供がここに入れられる。

檻の中の世界に収容される子供たち。

心身ともに歪み、絶望を食らう事になる。

生きていくためには、知識のある女の子なら体を売ることもあるかもしれない。

死ぬかもしれないと感じ取った男の子ならば、相手を殺すかもしれない。

とんでもない場所だ。

子供に優しい世界、なんてことはなさそうだ。

何のためにこのゲームが開催されているのか。

勝てば終わるというゲームじゃない。

お金を集めてここから出れば終わるなんていう、ふざけたゲームだ。

ただ見るというだけで終わるゲームか?

何か他の目的もあるのかもしれない。

「とにかく、開けてくれ」

「物資を持って行けば金にカウントされる。金を持っていくのもありだがな」

受付の隣にある小さな扉がひとりでに開いた。
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