妖魔04~聖域~
「俺は用意して長老のところに行かなければならない。意味は解るな?」

苛立ちを抑えながらも、服を取り出す。

「私に着替えを覗いて欲しくてたまらないという意味だろう?」

「殺すぞ?」

拳を作って殴る準備をしておく。

「先祖代々伝わってきた鳥葬で頼む」

胸の前で十字架を刻み、目を瞑る。

「面倒くせえ!」

頭痛がする程に面倒臭い。

布団から放り投げて、ケツを蹴って燕と服を部屋から追い出した。

「捻じ曲がっているな」

服を脱いだところで、窓から覗く二つの瞳。

カーテンを閉めて、一件落着させる。

着物に着替えて家を出ると、燕が家の傍で座っていた。

しかも、着物が肌蹴ている。

「テメエ、人様の家の前で何してる」

「物思いに耽ろうかと」

自分の手で股間を触ろうとしているのだが、足の裏で止める。

「自分の家でやってろ!」

DDTで気を失わせて、長老の下へと向かう。

「アイツは何なんだ」

俺の行く先々で邪魔ばかりをする。

「語らいをするのなら、まともな事を言えばいい」

ワケの解らない事ばかり言えば済むと思っているのか。

半ば呆れ気味になりながら、長老の家に辿り着いた。
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