妖魔04~聖域~
「先人が残した守り神じゃ」

何千年も石になって守っていたのだが、石のまま殺されるとは思ってもいなかっただろう。

「ただの、欲深い奴をぶっ殺す罠だろ」

罠に罠を重ねた最悪の場所だったといえる。

しかし、ジジイとの面白くもない絡みはどうでも良かった。

「面倒くせえことはこりごりだ。暗号をさっさと教えろ」

「一応、合格。暗号は『12342112』じゃ」

数字が並べられているが、何の羅列か。

暗号さえ解れば面倒くさい事をする必要はない。

「お前は改革派じゃったな」

「さっさと行って人間が横行している世界を潰す」

「アドバイスをするならば、最初から目立った行動は起こすな」

「何故だ?」

改革派は何年ちんたらやっているんだ。

もう、行動を起こしても良い頃合だ。

「お前は何の教育も受けてないのか。退魔師に殺害されるのがオチじゃ」

「あんな奴らに?バカな話があるか」

だけで妖魔に勝とうなどというのが甘い話だ。

「保守派の動きも見なければならん」

「燕か。眼中にない」

優秀だというのは噂だけだ。

「小童が。どんな者であっても、見くびれば寝首をかかれるぞ。それに保守派は燕だけではない」

鋭い眼光はジジイとは思えないほど大きさを感じる。

「前回、あやつは保守派代表として選ばれていた。じゃが、お前は選ばれんかった。すでに力の差はついておろう」
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