妖魔04~聖域~
「保守派のほうが安全とは思うけどね」
母親は保守派である。
親が保守派だからといって、絶対に一緒だという事はない。
どちらになるかというのは個人の考えを尊重しているのだ。
そして、母親は自分の考えを押し付けては来なかった。
「待ち続けて崩壊を迎えるのはゴメンだ」
「里の外は危険よ。おっかない人間達がいっぱいいるんだから」
「人間に恐怖する?ありえないな」
妖魔からすれば、人間など取るに足らない存在だ。
どこに恐れる部分があるというんだ。
「どうしても行くの?」
「里のためだ」
里が危機に瀕しているのに何もしないのは愚か者だ。
保守派は何もせずに里から眺めておけ。
だが、外界の監視役の保守派だけには気をつけておいたほうがいい。
何か起こそうとしたら、止めにかかるだろう。
そして、保守派に里へと送還されることになる。
「じゃあ、これを持っていきなさい」
母親が箪笥から古びた箱を取り出すと、俺に持たせた。
「これは?」
箱を開けると、小さな座布団の上にコアが置かれている。
「父さんのよ」
「大事な人のモノだろう。仕舞っておけ」
これを持っていったら、母親が一人になる。
「心配しなくていいの。私の望みはあんたが生き延びてくれることだからね」
「だが」
「バカね。あんたが死んだら本当に一人になっちゃうじゃない」
「そうか」
父親の魂、母親の望みを受け取り体内へと送り込んだ。
母親は保守派である。
親が保守派だからといって、絶対に一緒だという事はない。
どちらになるかというのは個人の考えを尊重しているのだ。
そして、母親は自分の考えを押し付けては来なかった。
「待ち続けて崩壊を迎えるのはゴメンだ」
「里の外は危険よ。おっかない人間達がいっぱいいるんだから」
「人間に恐怖する?ありえないな」
妖魔からすれば、人間など取るに足らない存在だ。
どこに恐れる部分があるというんだ。
「どうしても行くの?」
「里のためだ」
里が危機に瀕しているのに何もしないのは愚か者だ。
保守派は何もせずに里から眺めておけ。
だが、外界の監視役の保守派だけには気をつけておいたほうがいい。
何か起こそうとしたら、止めにかかるだろう。
そして、保守派に里へと送還されることになる。
「じゃあ、これを持っていきなさい」
母親が箪笥から古びた箱を取り出すと、俺に持たせた。
「これは?」
箱を開けると、小さな座布団の上にコアが置かれている。
「父さんのよ」
「大事な人のモノだろう。仕舞っておけ」
これを持っていったら、母親が一人になる。
「心配しなくていいの。私の望みはあんたが生き延びてくれることだからね」
「だが」
「バカね。あんたが死んだら本当に一人になっちゃうじゃない」
「そうか」
父親の魂、母親の望みを受け取り体内へと送り込んだ。