妖魔04~聖域~
「世にはびこる悪は消さなければならん」

俺に対する悪行を行う者も抹消するのは当然だ。

「私の考えの上での悪は、シンプルな答えで出ている」

蘇った燕は口元を袖で拭いている。

もうちょっと女らしい行動が取れないのか。

「言ってみろ」

「それは」

数秒が経って、考えていなかった答えを見つけ出したようだ。

「それは?」

「食事の邪魔をするお前の事だ」

「まずは人様の食卓を侵した自分のことを悪と思え!」

パロスペシャルで腕の関節を壊す。

「面倒な技をかけさせるな。それと、ろくな回答も出せないのに考える真似は無駄な時間を作っているだけだ」

痙攣を起こしている燕は放置し、食卓に戻った。

「あんたは燕のことがお気に入りなのね」

「常識を叩き込んでやっているだけだ」

「それがお気に入りっていうことでしょ?馬鹿な奴ほど可愛いっていうからね」

可愛いか?

「そうだぞ。母上様の事は絶対だ。ホラ、どうした?お前も可愛いと言え」

関節の痛みはないのか。

気付いた時には、俺の唐揚げを食し終えていた。

「都合の良い部分だけ理解するな」

食卓で暴れる事は禁止なので、静かに怒りを燃やす。

すでに食事は終了しているので溜め込む必要もない。

食卓から連れ出して、連続技からのホールドすればいいだけだ。
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