妖魔04~聖域~
今の険悪としたオーラで解るはず。

燕は緑茶を飲み干して満足気な顔をしていることで、腸が煮えくり返る。

「ちょっとこっちに来い」

手を持って椅子から立たせる。

「うむ、逢引か、いいぞ。付き合ってやる」

見当違いな答えのおかげで、呆れにまで到達するくらいだ。

「そこに立て」

縁側から庭に出て、壁の近くに立たせる。

「こんな青い空の下でやるのか。お前も変わってるな」

「よし、その位置、最高だ」

縁側から家に上がって、畳の位置で一息つく。

「そこを動くなよ。お前の胸に飛び込んでやるからな」

「お前、そんなに私の胸が好きなのか?」

燕が手を広げた事により、更に決めやすくなった。

「砕きたいほどにな」

助走をつけて、縁側付近までくると走り飛びの要領で飛び出す。

燕の位置まで勢い良く届くとドロップキックを胸付近にぶつけた。

「ゴハ!」

燕は壁に激突し、俺は片膝をついた状態で着地する。

「お前が女として振舞う気がないのなら、俺はお前のことを女と見ない」

全然効いていないのか、壁から縁側に歩いてくる。

「何を言う、歴とした女だ。人間界から取り寄せたシルクのパンツが目に入らぬか」

「下着を穿け!」

裸の王女とは目の前の奴の事だ。

着物の裾をめくり上げてもシルクのパンツなどなく、生まれたままの姿の股があった。

いつの間に、脱いだのか。
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