妖魔04~聖域~
長老から教えてもらった合言葉は。

「12342112」

『認証した。では、訳せ』

「はあ?」

長老、最後の1手が足りない。

「異世界よ」

冬狐が隣から答えらしきものを告げたが、反応はない。

代表者の声紋でなければ、反応しない仕組みか。

「異世界」

冬狐の答えを信じる。

『世界への扉は開かれる』

声が聞こえなくなり、封印は解かれたようだ。

「ちょっと腕を組ませなさい」

「はあ?面倒くせえ」

「アンタは私に孝行するべきよ。答えを教えてあげたでしょ」

密着すると、巨乳が当たる。

しかし、気にする事もなかった。

冬狐は打算的な者であり、自分の目的のためなら人を利用する。

捻じ曲がってはいるが、怒る気はない。

俺の隣に冬狐を連れながら前へと歩いていく。

数歩歩いたところで、空気の壁をすり抜けたような感覚がある。

一瞬だったので、何が起こったのかは解らなかった。

風景は変わらないが、空気が少し違う。

「これで出られたのか」

「おめでとう」

冬狐は横から離れて、森の中を先に進んでいく。

「お前、能力を使ったな?」

「さて、何のことかしらね」

人間界の地理は知らないので、適当に歩くと迷いそうだ。
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