妖魔04~聖域~
「言ってくれるな」

だが、実行しなければ外界には出られない。

面倒くさい話だ。

「お前には里の裏側にある古代コアの封印を解いてもらう」

「何?」

裏側など、どこにある?

「封印せし力じゃよ」

「そんな力を、誰も手にした事がないのか?」

「誰しもが切り抜ける判断力があると、判断されておったからのう」

俺自身の能力では不安と判断されたのか。

「見くびられたものだ」

だが、ありがたい話だ。

しかし、古代コアという物は、東西南北に存在しているのか。

「他の里もそんなありがたいプレゼントをくれてやっているのかよ?」

「ここだけじゃ」

「俺だけ時間を必要とする理由はなんだ?」

「他の里の者は世界の事を何も知らん」

西の長老は世界の何を知っている?

誰かと繋がっているのか。

「危険を知ってる長老は、俺に強くなってから里を出ろと?」

「優しさだと思え」

「本当に面倒だ」

他の地区の長老を脅して、外界に出たほうが早そうだ。

しかし、長老の言う事が確かならば、備えはあったほうがいい。

時間を必要とすると先入観を持っているだけで、気合を入れれば一日で終わる可能性もある。

「場所は何処だ?」

「広場へ迎ってコレを装着するのだ」

長老から手渡されたのは瓶底めがねだ。

瓶底眼鏡なんぞで、何か変わるのか。

そして、究極にダサい。

「俺に恥をかけというのか?」

「資格を持っている者は他にもいる」

長老は頬を釣り上げながら、脅しとプレッシャーをかけてくる。

「ち、面倒だな」
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