妖魔04~聖域~
ラインにとって、生命を使った人徳に反する事をしたとしても、いい味を出したスパイスにしかならない。

「お前がそこまで駄目というのなら、街で男と遊んでいるアルよ」

旅の途中で知らない男とのベッドシーンを見て、落ち込んだことがある。

実際に目の辺りにするのは、心臓に悪い。

彼女の頭の中の三大欲求である性欲、睡眠欲、食欲の割合で言えば3:1:1だろう。

性欲が一番の彼女の性格からして、咎めても聞きはしない。

だから、俺が常に手を上げる事にしている。

お吟さんが誰としようと関係ないと思っていたのに、止めさせたくなったのは何故なんだろう。

ジジイのためじゃない。

長く傍にいるおかげで、独占欲でも出てきてしまったんだろうか。

それでも、隠れて遊んでいるかもしれない。

不安ではあるが、知らないままでいるのならいい。

彼女のライフスタイルを完全にぶち壊した場合、俺の元から去るかもしれない。

だから、他の人に目が行かぬように気合で技術を磨き上げるしかないわけだ。

しかし、お吟さんは祖母にあたり法律上はしてはならない。

だが、色んな男と遊びまくる貞操観念なしよりは幾分かマシだろう。

比べる事自体がおかしい話なんだけどな。

年齢と間柄からいえば気持ち悪いという人もいるかもしれないが、綺麗な彼女が傍にいれば気にならない。

「そう、丞はババコンだったのであったアル」

「お吟さんは綺麗だよ。ババアなんて表現は不似合いなくらいだ」

親父の気持ちもミリ単位くらいならわかる。
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