妖魔04~聖域~
大剣を操ってるところ、ハンスの負担の量は凄まじいのか。

「精神力が衰えた時、気が逸れ意志の共有を怠った時、シンクロが途切れてチューニング以上の魔力が剣に移行させた意識を伝い、本体に流れ込み暴走する」

しかし、ラインの言う事では、説明通りには進んでもハンスを殺せはしない。

暴走妖魔になったからといって、死滅するわけではない。

むしろ、状況が悪化してしまう事になる。

暴走すれば、理性を失う。

それは、更に凶暴になるという事だ。

「逆に、契約妖魔の脳が活発であるなら、魔力の管理と意識を入れ替えて操ることも可能ってことになるよな?」

「魔力の管理は契約者と契約妖魔との間の中では一番難しいのだよ」

「シンクロよりもか?」

「シンクロは技術というよりは二人の相性だ。魔力の管理とはね、魔力の数値を常に監視し、力の使用を可能にするために人間に魔力を送り、微調整しなければならない」

少量ずつの加減は精神をすり減らす事になるわけか。

「今までには、人格交代はなかったってことか?」

「私の知る限りでした者はいない。契約者も行うつもりはないようだがね」

お吟さんはシャワーを浴びにいって、いない。

俺は話ながらも、歩くラインの背中を追う。

「契約妖魔の意識はコアに乗せるんだよな?」

「妖魔の内部から取り出しても無事でいられるのは、その一つしかない」

妖魔はコアを取り出されれば、意志の残った人形になり動けなくなってしまう。

「妖魔の外にあるコアは解らないでもないけど、体内にあるコアを抜き出すのは無理なんじゃないのか?」

体内から抉り出して取るとでもいうのか。
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