妖魔０４～聖域～
「元の姿に戻るとコア統合が解除され非常に危険でね、一つになっていた意識がバラバラとなり障害が起こる。だから、元の姿に戻る機能は排除しておく。もちろん、コアのメンテナンスは意識がコアにあるから、自分で行うことが出来、暴走はしなくなる」

生まれた時の姿も捨てなければならないという事か。

「それで、契約妖魔っていうのはいくつまで契約できるんだよ？」

「拡張チューニングを使えば複数でも可能だが、シンクロが極端に難しくなる」

「そうか」

「くく、欲は身を破滅へ落とすのだよ」

「後は、契約妖魔の契約についてだけどな、契約している契約妖魔から上書きは可能なのか？」

「そういった能力があるのなら別だが、不可能だね。ただ、契約妖魔とチューナーが契約破棄をした上で新たに契約を行うのは可能だ」

話をまとめれば、チューナーになるために手術を受けてコアを体内へと組み込めるようにし、個体に複数の意識の共有を可能にしてシンクロを行う。

ハンスのように脳が活発ならば、分割した意識を物に移し、コアを注入しシンクロを行うことが出来る。

妖魔も変鎖を行った上で契約妖魔になるためにコア統合とコアに意識を移す手術を行う。

契約妖魔になった妖魔は体の造形が変わると危険なために変鎖を解く事が出来なくなる。

改造を受けた者同士が融合する事によって、人間には使うことの出来なかった能力を使えることが出来るようになる。

心身の相性が悪ければ、シンクロできなくなり人間の脳に魔力が流れ込み暴走する。

「待てよ。契約は人間の暴走が起こったら、まだ契約されていないわけか？」

「そういう事になるのだがね」

「で、人間では試していることは聞いたが、俺のような半人半妖で試した見たことはあるのかよ？」

半妖はコアを内部に秘めているから、契約妖魔の意識を体内に留めるようにするだけでいいのか。

「過去にも一人いたが彼は進化を拒んでしまってね、君が第一号だ。光栄に思いたまえ」

「嘘だろ？」

妖魔の血が流れているから、チューニングを行ったら崩壊するのではないのか。

人間の血が何とかしてくれるのだろうか。
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