妖魔04~聖域~
「さて、君に進化を施そう」

ラインの前の扉が開くと、手術室のような場所がある。

中には従業員はオペ着を着用して待機をしていた。

「私も用意をしようか。君も従業員に従って手術を行う用意をしてきたまえ」

「ライン、チューニングの儀式だけじゃないだろ?」

「調べたい事は他にもあるのでね。だが、君の意識と体が世に留まるように勤めて見せよう」

あまり信用は出来ないが、来た以上はやるしかない。

一人の従業員が近くにあった個室へと連れて行く。

必要最低限の事しか会話をせず、衣服を脱がされ身を綺麗にし、手術を受けるべき服を渡される。

それを着込み、手術室へと戻ってくる。

すでにラインは手術室の中にいるようだ。

「さて、これより、半人半妖の調査とチューニングの術式を開始する」

ベッドに横たわると麻酔を打たれ、急速に意識が遠のいていく。


『あなたは、ダレ?』

『あなたは、ワタシを惑わすピエロ?』

『あなたは、ワタシを照らす星?』

『あなたは、ワタシを浚う王子様?』

『あなたは、ワタシを求めているの?』


思考に流れてくる声。

最後に聞こえたのは、自分を求めて欲しいという希望なのか。

よくは解らない。

ただ、解っていることは、施設の中にこの人物がいるということだろう。
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