妖魔04~聖域~
女が倒れても、残りはまだいる。。

誰がチューナーか、誰が契約妖魔か、誰が同化を果たした者か、解らないが一人一人打ちのめしていく。

数分後には周囲にいる敵を全て打ちのめすと、開いた扉の先を歩いていく。

「お前が望んだモノが見れるぞ」

『王子様、世界を覆う蒼い空は輝いてる?』

「心が澄み渡るくらいにな」

『闇を照らす月は癒してる?』

「一日の疲れが取れるほどにな」

エントランスにたどり着くと、ラインとお吟さんの姿が見えた。

「禍々しい姿アルなあ」

お吟さんの表情は険しい。

自分の姿を見る頃が出来ないので、よくは解らない。

ただ、一般の人が見たら、怯えてしまう姿なのだろう。

俺はお吟さんに声をかける前に、ラインの前に歩いていく。

「ラインが彼女の体を潰したのか?」

この場で真相を知っているのは、契約妖魔にしたラインだけだ。

「君は次のステップに進めた。何よりも喜ばしいことじゃないのかね?」

「真相はどうなんだと聞いているんだ」

本当ならば、知らなかった事かもしれない。

だが、姿を見てしまった、苦しみに触れてしまった。

「まずは冷静になりたまえ。君は自分がどのような姿をしているか気付いているのかね?」

ラインが手渡したのは手持ち用の鏡だった。

それを受け取り、自分を映し出すと自分の顔ではないものが映っている。

「誰だ、これ?」

「自分だと認識も出来ないのかね?」
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