妖魔04~聖域~
「誰の体なんだ?」

「ナンバー00の妹にあたる肉体だ」

ロベリアには妹がいたのか。

「何で、姉妹はどちらかが欠けているんだ?」

「ナンバー00の妹が望んだ事だ」

「どういうことだ?」

「彼女は自らの命を姉のために差し出した。彼女は姉を愛していたからね」

愛する者のために命を差し出す事は解らないわけではない。

妹がロベリアの事を崇拝するかのごとく愛していたのならば、尚更のこと。

「随分と綺麗だな。冷凍保管でもしてたのかよ」

「妖魔の肉体で自身のコアを抜いただけだからね。手入れをすれば体が腐るという事はない」

「手入れ、か」

維持するのにも、相当な労力が必要になってくるのだろう。

体を失った姉と、心を失った妹。

真相はロベリアの奥深くにある扉を開けなければならない。

「君もナンバー00を入れたままでは身動きが取りにくいだろう。こちらとしても、色々と話をしにくい」

「お前と話す事が増えそうだな」

ロベリアには聞かれたくない事なのだろう。

「今まで他人に話す機会がなかったのでね、少し楽しみではあるのだよ」

本当に扉を開けてもいいものだろうか。
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