妖魔04~聖域~
「ライン、妖魔に備わる本来のコアを抜いたとして、契約妖魔の意識のあるコアを入れても大丈夫なのか?」

本来の妖魔のコアを抜けば動けなくはなるものの、意識はある。

意識のある上に、意識を込めたコアを入れる事は危険ではないのか?

「自身のコアは体を起動させる専用スイッチであり全てを内包している。そこには意識や記憶や能力や行動するための力が存在している。何も施していない場合、意識は在るが何も行えないので無意味なものでしかない。都合のいい事に能力だけは反応し、妖魔は害がないと判断し、起動させる事が出来る仕組みになっているのだよ」

「コアには手術を行わなくても意識が存在している?」

「抜き取る際に脳にある全てのデータをそこに送るのだよ。だから、体が動かなくなるし、意識もない。脳死のようなものだよ」

それだと、美咲との説明が異なるような気がする。

美咲は、コアを抜いても体に意識はあると言っていた。

これは、研究者であるラインが正しいのか。

「何でそんな面倒なことが起きるんだ?」

「防衛本能みたいなものかね。データを送れば脳を調べたところで何も発見はされなくなるだろう?本能だから、自分の意思と関係なしに起こってしまう」

契約妖魔になると、コア内のデータを自在に操ることが出来るわけか。

だから、メンテナンスを独自に行える。

ただし、能力を変化させる事は出来ない。

「脳で動いているわけではなくなるがね」

「脳とコアで動く違いって何だよ?」

「コアで動く際、微量だが魔力を消費している。だから、激しく動けば消費量が増え疲れが早く出るし、魔力を使う量を間違う事が出来ないのだよ」

「全てがいい方向に動いているわけじゃないのか」
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