妖魔０４～聖域～
「あなたのお姉さん、怪しい事をやってるらしいわよ」

「怪しい事？何それ？」

訝しげな表情を見せる妹。

「さあ、日に日に違う男を連れてたところを見た人がいるって」

「嘘言うのは止めなさいよ。姉さんがそんなふしだらな真似するわけないじゃない！」

「私に怒らないでよ。でも、根も葉もない噂だからあなたの言うように嘘かもしれないわね」

しかし、妹の疑心がさらなる陰りを増しました。

夜遅くに帰ってくる姉、色んな男を連れて歩く噂。

姉のやっている仕事が如何わしいものではないのかと、妹は不安に狩られます。

「私が知ってる姉さんならしないよね」

それでも姉を信じたかったので、疑心を振り払い仕事を続けることにしたのでした。

姉が仕事に就いてから、数ヶ月が過ぎ去りました。

天職なのでしょうか、姉の仕事は長く続いているようです。

最初の頃は何事も上手くいきませんでしたが、妹と同じ家系なので、やっていく内に仕事を要領よくこなしていくようになります。

日が過ぎていくと共に、色々な男性とも肌を重ねました。

それこそ年齢、体格を問わず、体一つで仕事をこなしていきました。

しかし、同僚からの妬み、嫌がらせも受けるようになりました。

姉は娼婦しかないと諦めず、毎日を送っていきます。

その内、同僚も諦め、嫌がらせは段々なくなっていきました。

姉の真剣な姿勢を認められたのかもしれません。

姉は泣き言、愚痴をこぼさず誰にでも優しく接した結果、彼女を可愛がる先輩、彼女を慕う後輩も現れてきました。

お客様に接する態度は真摯であり、自分の体調が悪かろうが一生懸命に取り組んだ結果、人気も出てきました。

彼女にとっては一々一日が新たな発見と新鮮味に溢れた世界だったのです。

ですが、娼婦をやっていくにも問題がありました。
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