ミサンガの妖精
怪しい兄ちゃん
私は匂坂 未羽。
ただいま、駅前で変な兄ちゃんに捕まっております。
「――だからそんな怪しいもの買うわけないでしょっ!」
「だからホントだってっ!
このミサンガを買った人は全員願い事が叶ったってっ!」
この兄ちゃん、しつこい。
30分も断り続けてるのに
それでもなおすすめてくるとは。
「しっかりジャンルごと分けてあるから。
ピンクが恋愛で青が人間関係――」
「だからいりませんっ!!!!」
きっぱりと断ったときだった。