ミサンガの妖精
私は無意識のうちに兄ちゃんを呼び止めていた。
「ん……?」
「ミサンガ、買うよ。」
はっ!
思わず兄ちゃんの話に同情して
言ってしまった!
私が一瞬後悔したと同時に
兄ちゃんの顔が輝いた。
……まるでさっきまでの涙が嘘泣きだったかのように。
「よっしゃっ!
そうこなくっちゃなぁ。
じゃぁどのミサンガにする?」
兄ちゃんの表情は生き生きしている。
もしかしたら…騙された?
でも一回言ったことは取り消せない。
はぁ……やられた…。