【詩集】タイムマシンの作り方
麦わら帽子と夏の隙間
君の髪はもう伸びたかな
僕は少し痩せた気がするよ
少しの季節の隙間なんかさ
僕らの全てに比べたら。
あの日の言葉を繰り返して
新しい夏に君を探す
お気に入りの麦わら帽子
押さえながら笑う
君がいたあの日
この世界は眩しすぎる
僕の記憶の綻びを
容赦なく照らし付けるの
愛してるよ 会いたいよ
忘れた日なんか無いよ
でもさ
君の笑顔は
うまく改ざんされて
ひまわりみたいに笑ってた
都会の匂いを捨てながら
流れてく窓の景色
僕の頭の中とは逆だなあ
いらないもんばっか詰めた
嫌な重さ
君は笑ってた
泣き出しそうに笑ってた
時が経つほど怖くなった
僕と君の間の何かが
音を立てて崩れる予感
それでもほら、
まだ崩れないから
会いに行くよ
白い影に焼かれても
時間の闇にのまれたりしない
揺らぐ僕を照らし出せよ
時が経って不安になって
君がいたって弱くて脆くて
胸を張れない男だけど
愛した君が
愛してくれた僕だ
真っ直ぐな道を君の下へ
振り返った麦わら帽子が
夏の隙間に
溶け込んで揺れてる
【会いたい、けど。】
好きだけど
不安でどうしようもない。