たった一人の… 【短編】
琉『俺には、やっぱりお前が必要だ。』
羅『えっ…??』
琉『だから…俺はお前がいなきゃダメなんだよ。俺とやり直してほしい。』
私の思考は停止した。けれど、次から次へと涙は流れてくるんだ。
琉『今度こそ、羅依を離さないから。絶対に絶対に約束する。だからお願いします。俺の隣りに帰ってきて下さい。』
私は琉聖の胸に飛び込んだ。
羅『琉聖…私ね、琉聖がいなくなってから、どうしていいかわからなくて 毎日仕事してたの。』
琉『うん。』
羅『今までは当たり前に隣りにいたのに、朝起きても隣りに琉聖はいなくて…。すごく辛くて、寂しくて、死んじゃいそうだった…。』
琉『うん。』
羅『だけど、原因は私にあるから、電話をかける勇気もメールする勇気もなかった…。』
琉『羅依…。』
羅『だけどね、私やっぱり琉聖を愛してるの。琉聖しか見えないの。』
琉『羅依、化粧落ちるよ?まだ仕事中だろ?』
羅『あっ…。忘れてた。』
琉『まったく…。仕事終わる頃に迎えに来るから!!』
羅『本当に?』
琉『本当に!』