たった一人の… 【短編】

母『おかえり〜。どうだった??』

羅『お母さん…あのね。』

琉『お母さん、羅依が妊娠二ヶ月で…それであの…俺達、産みます。』

琉聖は緊張しているせいか、日本語がぐちゃぐちゃだった。

母『そうだと思った。羅依、おめでとう。母親になるのは、そう簡単な事じゃないのよ。でも、母親は強くなるから。頑張りなさい。』

羅『お母さん…。』

私は母の温かさが嬉しかった。

琉『羅依、良かったな。』

母『琉聖君、羅依をヨロシクね。あなたも父親として、これから頑張りなさい。』

琉『はっ、はい!!』


私のお母さんはあっさりと認めてくれた。

問題は喧嘩中の琉聖のママだ。


私達は次の日、琉聖の家に行く事にして、今日は私の家でお祝いをしてもらった。


そして、楓と優太にも報告をした。

二人はすぐ、飛んできてくれた。

楓は自分の事の様に、泣いて喜んでくれた。

温かい家族や友達に囲まれて、たった一人の愛する人の隣りで笑う私は、きっとそれまでの人生で一番輝いていたかもしれない……。


神様、私に新しい命をありがとう………。


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