たった一人の… 【短編】
あの日から、琉聖の家には行っていない。
私は今でも仕事を続けている。
琉聖の給料だけじゃ、足りないんだ…。
でも、産まれてくる赤ちゃんの為なら私は頑張れた。
琉聖がいつも隣りで笑っていてくれたから…。
ずっとこの笑顔がそばにあると信じていたから…。
仕事は好きだったし、ママもお客さんも、私の妊娠を喜んでくれていて、とても楽しかった。
あと少しで、私にとって人生最悪の出来事起こるなんて その時の私には思いもしなかった事だ…。