たった一人の… 【短編】
最終章…別れ
妊娠がわかってから5ヶ月が経とうとしていた。
体は母子共に健康だ。
私はいつもの様に、仕事をしていた。
すると、琉聖が入ってきた。
だけど、何かが違う。
琉聖がいつもの琉聖じゃないような気がする。
私の嫌な予感は的中した。
私に話しかける琉聖のろれつが明らかに回っていない。
羅『琉聖…薬…。』
琉『はぁ〜?羅依、何言ってんの〜?』
琉聖は私と付き合う前に薬に手を出していた。
でも、付き合ってからは一度も手を出していなかった。毎日一緒にいたから、私にはわかる。
だから私には、理解できなかった。
どうして今更そんな事…
私は初めて琉聖の頬を殴った。
羅『琉聖のバカ!!』
琉『だって、羅依がいないと暇なんだもん。』
私はその言葉に呆れた。
少しでも琉聖を助けてあげようと思って働いていたのに…ありえない。
父親になるのに…そんな事して…。
羅『とにかく、仕事が終わったら連絡するから』
そう言って、私は店のドアを閉めた。