たった一人の… 【短編】

琉聖が帰ってからは、全然仕事にならなかった。

気を使ってくれたママが、早く上がっていいと言ってくれたから 私は甘える事にした。


店を出て琉聖に電話をかけた。

その時にはもういつもの琉聖に戻っていた。

琉『ごめん…俺、本当どうかしてた。』

そんな事を言われても、私の怒りは治まらない。

琉『もう二度としないから、許して欲しい。』

羅『琉聖は、私が仕事の時はいつもヤッてたの?』

………。

羅『今までずっと私の事、騙してたんだ。最低だね。』

私は初めて琉聖に冷たい態度をとった。

だけど、琉聖が今までずっと私に隠れてそんな事をしてたと思うと、私は怒りを抑える事すらできなかった。


あの優しい琉聖が私に隠し事をしていた。

あの大好きな琉聖が私を最悪な形で裏切った。

もう私はあなたとはいられない…。

こんなに涙が出るくらい 大好きだけど、私にあなたを変えられる力はなかったみたいだから…。

神様…私の幸せを返してください。

私の大好きな琉聖の笑顔を返してください。


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