◇◆あじさい◆◇
私は母を、困らせたかった訳じゃない…。
ただ、「貴女は私の娘だ」と…、その言葉が欲しかった…。
父の事を疑った訳じゃない。私はただ、認めたくない。それだけだった…。
母はうつむき、ただ溢れる涙を止めれなかった…。
『…どうして?
どうして何も言ってくれないの?』
今度は、かすれる声で問い掛けた。
母は顔に両手を当て、泣き崩れた。
【…そうじゃない。私が此処に来たのは、そんな姿を見る為じゃないっ…】
私は、病室を飛び出した。
泣き崩れる母を残して…。
ただ、「貴女は私の娘だ」と…、その言葉が欲しかった…。
父の事を疑った訳じゃない。私はただ、認めたくない。それだけだった…。
母はうつむき、ただ溢れる涙を止めれなかった…。
『…どうして?
どうして何も言ってくれないの?』
今度は、かすれる声で問い掛けた。
母は顔に両手を当て、泣き崩れた。
【…そうじゃない。私が此処に来たのは、そんな姿を見る為じゃないっ…】
私は、病室を飛び出した。
泣き崩れる母を残して…。