◇◆あじさい◆◇
『ごめん沙織。
走ったんだけど間に合わなくって…。10分正座。』

沙織は、ホッとした表情で廊下に出ると私を急かした。


『風花ぁ、1限美術だからっ!早くっ!』


『えっ?そうだっけ?またダッシュ!?』


私は慌てて鞄を置くと、ロッカーからスケッチブックを取り出し走った。



美術の先生は、少し耳の遠いおじいちゃん先生で、まともに授業を受ける生徒は少なかった。
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