◇◆あじさい◆◇
そうして家の前に着くと、誰かがしゃがみ込んでいるのが分かった。
『…お前…。』
『…裕介…。』
そこに居たのは裕介だった。
裕介は私の足元を見た。
『長い「かくれんぼ」だったな…。』
裕介は、何故か笑顔で私を見つめた。
私は何も答えられなかった。
『…ほん今まで、和也も沙織も居たんだ。沙織相当心配してたよ…。』
私は小さく頷いた。
『二人には、俺から連絡しとくから、お前もぅ、家入れよ。…お父さん、待ってんだろ?』
私はまた、小さく頷いた。
裕介は、そっと近付くと、私の背中を優しく押して、玄関へと連れて行ってくれた。
『…じゃあ。明日なっ。』
そう言って、立ち去ろうとした裕介の腕を、私はギュッと掴んだ。
『…ゅ…すけぇ…。』
自分で掴んだ腕を離せずに、それ以上言葉が出てこない。
『…風花。
お前を苦しめたのは俺だよ?お前のクチから「ごめん」は言わせない。
…だから、今まで通りでいぃんだ。今まで通りで。』
裕介は、そっと私の手を離し、ゆっくり背を向け帰って行った。
裕介の優しさが、
伝わり過ぎて、
胸の奥が痛んだ。
『…お前…。』
『…裕介…。』
そこに居たのは裕介だった。
裕介は私の足元を見た。
『長い「かくれんぼ」だったな…。』
裕介は、何故か笑顔で私を見つめた。
私は何も答えられなかった。
『…ほん今まで、和也も沙織も居たんだ。沙織相当心配してたよ…。』
私は小さく頷いた。
『二人には、俺から連絡しとくから、お前もぅ、家入れよ。…お父さん、待ってんだろ?』
私はまた、小さく頷いた。
裕介は、そっと近付くと、私の背中を優しく押して、玄関へと連れて行ってくれた。
『…じゃあ。明日なっ。』
そう言って、立ち去ろうとした裕介の腕を、私はギュッと掴んだ。
『…ゅ…すけぇ…。』
自分で掴んだ腕を離せずに、それ以上言葉が出てこない。
『…風花。
お前を苦しめたのは俺だよ?お前のクチから「ごめん」は言わせない。
…だから、今まで通りでいぃんだ。今まで通りで。』
裕介は、そっと私の手を離し、ゆっくり背を向け帰って行った。
裕介の優しさが、
伝わり過ぎて、
胸の奥が痛んだ。